シックハウス症候群と免疫の関係性
シックハウス症候群で悩んでいる方はすくなくありません。
シックハウス症候群自体も、ある意味免疫システムの誤作動が関係しているのです。
アレルギー症状の一種です。
ここでは、そもそもシックハウス症候群とはどういったものなのか?なぜシックハウス症候群になってしまうのか?有効な対策法はないのか?といったことをお話します。
シックハウス症候群は免疫システムと非常に密接に結びついています。
シックハウス症候群の理解を深めることが、今後の自分の体を守ることにもつながるのです。
家にいるとちょっと体調がおかしい、という経験をしたことがある方は必見です。
もしかしたら、すでにシックハウス症候群の兆候が現れているのかもしれませんよ。
シックハウス症候群とは何か?
・室内の汚染化学物質によって引き起こされる様々な症状のこと
我々の住んでいる建物に室内には、様々な物質があります。その物質の中には汚染化学物質と呼ばれているものがあるのです。免疫システムが何故かその物質に対して過敏に反応してしまい、様々な諸症状を起こしてしまうのがシックハウス症候群です。
・どのような症状が現れるのか?
【症状例】
集中力の低下、筋肉痛、微熱、腹痛、頭痛、関節痛、咽頭痛、不眠、視力障害、だるさなど
非常に多くの症状が出ることでも知られています。その人の体質によって、弱い部分に症状が出やすい、といった特徴も有しています。 上記した以外にも症状が現れるケースが多くなっており、それらを総称してシックハウス症候群と呼んでいます。 ※「YAHOO!ヘルスケア」の「シックハウス症候群」より(参考:https://medical.yahoo.co.jp/katei/column/270335C01/?disid=270335C01)
・ハウス(家)だけで起こる症状なのか?
家だけで起こるのではありません。シックハウス症候群は「シックビル症候群」とも呼ばれているのです。ビル住居者にも同じような症状が見られるので、建物であれば発生する可能性がある症状です。 近年では、小学校でも同様の症状が現れることもあるので「シックスクール症候群」とも呼ばれています。
・いつごろから発生すつるようになったのか?
木製の住居やレンガ造りの住居ではシックハウス症候群は発生しませんでした。木も土(レンガ)も化学物質ではありませんからね。ですから、昔はなかった症状なのです。 化学物質が関わっている過敏症の一つなので、禁煙になって発生するようになりました。特に1970年代以降に爆発的に増えてきたのです以前は化学物質過敏症と言われていましたが、その化学物質過敏症もシックハウス症候群の一つです。 1970年代から省エネ政策が実施されました。気密性や高断熱性が住宅に求められたのです。その結果、家の中の空気がそのまま滞留するようになってしまいました。化学物質も室外へなかなか逃げていかなくなってとどまるようになってしまったのです。 他にも、建材の製造過程で農薬と同じ成分の薬剤を使用し、防腐・殺菌処理を施す用になったのも大きな転換点の一つとなりました、
なぜシックハウス症候群が発症してしまうのか?
・化学物質に免疫が過敏に反応してしまうから
・ホルムアルデヒド・・・塗料や接着剤に入っている
・トルエン・・・建材屋や塗料、防虫剤に含まれている
・キシレン・・・建材屋や塗料、防虫剤に含まれている
・揮発性有機化合物(VOC)・・・可塑剤に利用されている
※可塑剤(かそざい)とは・・・熱可塑性合成樹脂に加えて柔軟性や対候性改良する添加薬品類の総称(参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%AF%E5%A1%91%E5%89%A4) 上記したような化学物質が建物内には多く飛散しています。それらを吸い込んでしまうことで、我々の身体に不具合が起こってしまうのがシックハウス症候群なのです。 何も鼻や口から入ることだけでシックハウス症候群になるわけではありません。目から入ることでアレルギー症状のような状態になってしまうこともあります。 発症の流れとしてはアレルギーの発生と同じです。化学物質に体の免疫システムが過剰に反応しすぎてしまうのです。その結果、様々な症状が出てきてしまいます。
・同じ建物内にいるのに症状が出る人と出ない人がいるのはなぜか?
化学物質に対する耐性が個人個人で異なっているからです。化学物質をある程度許容できる人とできない人がいます。許容量が少なすぎる方は、シックハウス症候群が出てきてしまうのです。 わかりやすく説明すると、お風呂と水道があります。許容量がお風呂であり、シックハウス症候群になる原因物質が水道です。水道の水がお風呂から溢れ出てしまうほど化学物質を体内に入れてしまうと、免疫システムが作動してアレルギー症状を出してしまいます。 注目してほしいのが、人によってそのお風呂の大きさが違う、というところです。イメージとしては、一般的な個人住宅のお風呂の大きさもあれば、銭湯のような大きさもあるわけです。容量が大きい方は、シックハウス症候群になりにくい、と言うわけです。
・具体的にどのような症状が出てしまうのか?
・消化器系の症状例・・・下痢や便秘
・精神系の症状例・・・不眠、不安、うつ症状など
・自律神経系の症状・・・異常な発汗(多汗症の発症)、手足の冷え(末端冷え性)、疲れやすい
・眼科系の症状例・・・結膜の刺激的な症状
・循環器系の症状例・・・心悸亢進
・免疫系の症状例・・・皮膚炎、喘息、自己免疫疾患
※心悸亢進(しんきこうしん)とは・・・動悸。心臓の拍動数が増加して,前胸部に鼓動を強く感じること(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より抜粋(参考:https://kotobank.jp/word/%E5%BF%83%E6%82%B8%E4%BA%A2%E9%80%B2-81459) シックハウス症候群には様々な症状が見受けられます。もちろん免疫系の障害も発生してしまいますが、他にも精神的な問題が発生してしまうこともあるのです。様々な病気の原因いなってしまう可能性があるわけです。 単なるうつ病と思っていた方が、「よくよく調べてみるとシックハウス症候群だった」という例もあります。
シックハウス症候群の予防方法とは?
原因物質を一定量以下にすることが大事
【室内環境指針値】
・ホルムアルデヒド・・・100μgm3(0.08ppm)
・トルエン・・・260μgm3(0.07ppm)
・パラジクロロベンゼン・・・240μgm3(0.04ppm)
・クロロビリホス・・・1μgm3(0.07ppb)(小児では0.1μgm3)
※参考:https://medical.yahoo.co.jp/katei/column/270335C01/?disid=270335C01 数値を見てもどうすればよいのかわからない、という方がほとんどだと思います。要は、化学物質の空気中の濃度を減らすことが最重要課題になります。 空気中の化学物質の濃度を引き下げるために実施すべきは、換気です。部屋の空気を定期的に入れ替える、ということが極めて重要になってくるわけです。1日に1回から2回程度は、窓を開け放して外の空気を室内に取り込みましょう。そうすることで、化学物質の濃度が下がっていきます。 他にも、定期的に換気扇を回す、ということも必要です。長時間換気扇を利用する必要はありません。お風呂から出た後に、お風呂の換気扇を一定時間回したり、トイレに入った時にトイレの換気扇を一定期間回したり、ということもおすすめです。
・加湿器を利用して換気を実施する
単に換気をしただけでは、化学物質が効率的に外に出ていかないかもしれません。空気中に揮発した化学物質については、加湿器を利用するのがおすすめです。加湿器を利用しただけではダメなのですが、揮発した化学物質は水滴と結合します。その上で換気扇を回すことで、水蒸気と結合して室外へ追い出される、ということになるわけです。 ※湿気の多い季節、は加湿器の利用はかえってシックハウス症候群を重度にしてしまう可能性があります。高温多湿になりすぎると、ダニやガビが発生しホルムアルデヒドがより多く飛散してしまうのです。乾燥のひどい季節のみ、加湿器による対策を実施しましょう。
・合板などにはニスを利用すること
合板を利用している家にいると、その接着に使われた材料でシックハウス症候群になってしまうかもしれません。合板に関しては、シェラックワニスなど安全なニスで覆いましょう。ニスで覆うことで化学物質が飛散しにくい状況を作れるのです。